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ちばの人間探訪

しげファーム経営「人&人のつながり農業」

(左画像)
 しげファーム 山本茂晴さんご夫妻&VINOくん(イングリッシュ・ビーグル)

「野菜を味わって食べたくなるんです!」
野菜の味に感動した読者からのリクエストで、有機農法を行っている生産者の山本さんご夫妻にお話をうかがいました。

山本さんの畑は千葉市若葉区の住宅地からほんの歩いて3分のところ。「しげファーム」と描かれた木の看板が目印です。出迎えてくれたのは、作業着姿の山本さんご夫妻と店番犬ヴィーノくん。なんと畑のすぐ脇で、旬の採れたて野菜を販売しているそうです。
「口に入る物は、食べられる物以外はダメじゃないか、と思っています。だけど、それがシンプルで美味しい」と仲良くうなづく山本さんご夫妻。農薬を使わず、自家製有機肥料で土づくりから工夫しているそう。実はスーパーできれいに売られている野菜は、農薬が使われ、育つ土には化学肥料が使われている可能性があるのです。それは野菜と土以外の物も、口に入る可能性があるということ。虫食いがあると捨てられてしまう野菜の市場。手間を減らし、野菜をきれいに仕上げてくれる農薬が欠かせなくなっている現状もあります。消費者である私たちも、見栄え重視になりがち。そんな消費者の中でも、子供がアトピーになり、食べ物に関心をもち、地球環境に配慮することが自分たちの健康へつながると気がつき、意識して有機栽培された野菜を選ぶ人も出てきました。なんと有機農法で作られた野菜は、ビタミン・ミネラル含有量が何倍も多く、錠剤などで摂取するより、ずっとお得で身体に良いのです。
もともとはレストラン勤務のソムリエだった山本さんは、環境に関心のあった奥様に影響され、農家へ転身。“これで儲けよう!”と自信があったわけではなく、「やってみたら?」という奥様に背中を押されて、先を考えないではじめてしまったそう。しかし、農薬に頼らない分、病気が発生してしまったら、ひとつの作物が全滅!ということもありうるので、有機農法は勇気農法?!そう簡単にできるものではないのです。とはいえ、有機栽培の野菜を、価格の高い贅沢品や虫の穴だらけの見栄えの悪いものにしたくないという山本さん。手間だけは惜しまず、朝から晩まで防虫ネットを張ったり、肥料作り、収穫と作業の毎日だそうです。

職業としたら、大変そのものですが、「有機農法でも農家としてやっていける、というのを若い人に見せたい。職業として選んでほしい。畑と人が近い関係でありたい」と山本さんの目は輝いています。
スーパーなどの小売店が増え、消費者と生産者は切り離されてしまいました。乱暴ないい方ですが、顔の見えない消費者の健康よりも、市場で売れる見栄えのいい野菜を作るようになってしまったことの一因ではないかと思います。山本さんは目の前の買っていく人の笑顔、美味しい料理に喜ぶ家族、みんなの健康…そんなことを思い描きながら、まさに人と人との見えない絆を結んでいく農業に、誇りと喜びをもって取り組んでいます。
6月中旬には、まるまるとしたブルーベリーができるそう。木で完熟してから摘み取るので、甘くて大きいのが特徴。ぜひ一度、訪れてみてください!


レタス 130円
ミニ大根 200円
小松菜 120円
春はミニサイズの大根のほうが
美味しくできる



ブルーベリーの木とカマキリの卵
カマキリは害虫を食べてくれる



丹精込めて……



試してみたっ!
青梗菜(チンゲンサイ)の花といった珍しいものも。湯がいてマヨネーズで。 かぶはお味噌汁に入れたり、煮物で。 身がしっかりしていて煮崩れせず、とっても甘い!


※有機農法:有機農法とは農薬や化学肥料、除草剤を使わずに有機質の肥料(米ぬか・オカラなど)を使って農作物を栽培する方法のこと。


*DATA*

サイトURL:http://www.shigefarm.com/


(2008年5月)


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