BayWaveトップ > ズームちば > ちばコレクト

ちばコレ Special Report

鴨川シーワールド「メガマウスザメ全身骨格標本」完成

今回は、鴨川シーワールドで行われた「メガマウスザメ全身骨格標本」完成披露メディア内覧会に行ってきました。

メガマウスザメは、最大で7.1メートルほどの幻のサメです。世界でも非常に希少なため、生態は未だ不明とされています。 メガマウスザメの捕獲記録は世界で135例、日本では23例あり、今回完成した標本は日本での22例目の個体なのだそうです。

昨年5月に館山市洲崎沖の定置網に入っているのが見つかり、保護する前に息絶えましたが、体長約5.4メートル、体重1.2トンの大型のメスの個体で、研究のため鴨川シーワールドで引き取られていました。

今年2月24日(土)には、「メガマウスザメ特別レクチャー&公開解剖」が行われ、「さめ先生」とも呼ばれている北海道大学 仲谷一宏 名誉教授の特別レクチャーでは、サメの生態やメガマウスザメに関する講義が行われました。公開解剖では、初めて目にする巨大なプロポーションと特徴的な大きな口に、参加者からは驚きの声が!また、解剖の結果、世界初の例と考えられる「卵殻」が発見されました。 その時のレポートはこちら

メガマウスザメは、世界的に標本として残されている個体は極めて僅かで、骨格標本として残そうとしても骨が水分を含んだ軟骨で出来ているため、扱いが難しく叶わなかったかったところ、この度、北海道大学 仲谷一宏 名誉教授と株式会社 吉田生物研究所による特殊技術にて、世界で初めてメガマウスザメの全身骨格標本が完成したそうです。

(左)鴨川シーワールド 勝俣 浩 館長 (中)北海道大学 仲谷一宏 名誉教授 (右)株式会社 吉田生物研究所 吉田 浩一 取締役



【世界初 その1】希少種メガマウスザメの全身骨格標本

一部分の液浸標本や剥製ではなく、体長約5.4メートルの全身骨格標本は、世界初となる。

全身骨格標本と勝俣館長 改めてメガマウスザメの大きさに驚く



【世界初 その2】大型サメのプラスティネーション標本

骨格標本は、液漬標本のようにガラスや液体越しに観察することにならず、直接観察できる。

プラスティネーション(含浸標本)とは・・・
サメやエイの仲間は軟骨魚類と言われ、中でもメガマウスザメの骨格は水分が多くとても特殊な構造であり、骨をそのまま乾燥させると骨内の水分が蒸発し骨自体が収縮してしまう。骨内の水分を高級アルコール(炭素数が高い)という蝋状の固体置き換える処理。

株式会社 吉田生物研究所 資料引用

アップで見てみると・・・

白い部分は骨、黒く見える部分は皮膚を残している。
また表面のアルコールは拭われるため、表面の数ミクロンは骨そのものとなっている。



【世界初 その3】生体(摂餌)を再現した骨格標本

プランクトン食のサメは3種類、ウバザメ「流し込み型」ジンベエザメ「吸い込み型」、メガマウスザメは「すくい取り型(Engulfment)」となる。この骨格標本は口を開けて喉を広げ、餌と水をすくい取っている状態を再現している。

餌の食べ方は・・・

北海道大学 仲谷一宏 名誉教授 資料引用





【世界初 その4】卵殻の展示

公開解剖の時に発見された卵殻も展示。

骨格標本とともに卵殻も展示されている





メガマウスザメとシャチの全身骨格骨格標本が並んで展示

常設展示となりますので、鴨川シーワールドを訪れた際には、ぜひご覧になってください。



名称 鴨川シーワールド
住所 鴨川市東町1464-18
TEL 04-7093-4803
営業時間 公式HP営業時間を参照
ホームページ http://www.kamogawa-seaworld.jp




前のページ
パドリング アーキペラゴ(Paddling Archipelago)
コンテンツのトップ

このレポートの口コミ

クチコミを募集してます

コメントを投稿するにはユーザ登録が必要です